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No.12「伊達政宗 黄金日本島の巻」

伊達政宗シリーズ第4巻の「黄金日本島の巻」です。

 

政宗は家康に対して並々ならぬ対抗心を燃やしていましたが、政宗の策略はお見通しと言わんばかりに、家康はその上をいきます。

 

関ヶ原の戦いの折、政宗は天下の混乱に乗じて東北に一気を勃発させ、伊達家の領土拡大を画策します。ですが、政宗の読みに反して天下分け目の戦は僅か半日で決着がつきました。

 

一揆扇動を理由に「百万石のお墨付き」は白紙となり、この戦いで天下は事実上徳川のものとなったのでした。流石の政宗も家康の力量を認め、次第に彼の気持ちは対抗心から尊敬へと変わっていきます。

 

その後、家康の六男、忠輝と政宗の娘、五郎八姫は祝言を挙げ、この件で政宗に松平性が与えられました。

 

日本は徳川を主として泰平目指すのですが、政宗の野心は決して消えたわけではありません。関ヶ原の大戦後、政宗にある一人の人物が近寄ってきます。彼の名は大久保長安といい、徳川幕府で奉行を務めている男です。

 

彼は金山の開発に勤める傍ら、忠輝の執政もこなすという切れ者です。彼は日本の国内が平定されかけている今、南蛮人と紅毛人が水面下で日本の主導権を握ろうと画策している、ということを政宗に告げます。徳川家が紅毛人を支援しているのに対して、伊達家は南蛮人を支持で対外的に均衡を保とうと長安は考えたのです。

 

一方、紅毛方の徳川に対して、南蛮方は旧政権である豊臣を依り代にしようと画策します。まだ戦乱の世は終わっていないと睨んだ政宗。一度消えかかった天下への野心はゆるゆるとまた燃え上がっていたのでした。