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No.7「嫌われる勇気」

今回は岸見一郎先生、古賀史健先生の合作、「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」をご紹介します。

 

本書は心理学の3大巨頭であるアドラーの心理学を古代ギリシャ哲学的な対話形式で説明した本です。現代人の悩みなどを具体例に挙げているので、アドラー心理学をどのように応用したら良いか、分かりやすく説明されています。

 

アドラー心理学はそれまでフロイト原因論とは違った目的論というのものを唱えました。例えば電車に乗っていたある男性が靴を踏まれたとき、男性は怒りのあまり踏んだ人に対して大声で文句を言います。これをフロイト原因論で考えると、男性は怒りを感じたため大声を出したという解釈がされます。誰もが思う一般的な解釈ですね。それに対しアドラーは、大声を出すために怒りの感情を使った、という解釈をするのです。

 

なぜこう考えるかというと、フロイト原因論に沿えば、人は怒りを感じる度に大声をだすなり人を責めたりするはずですが、実際はそうではありません。つまり我々は感情をコントロールできるのであって、大声を出すという目的のためにどうしたら良いのか考慮した結果、怒りを使用したという一連の流れがアドラーの目的論です。

 

では何故大声を出したかったかというとアドラーはその男性が自分に価値はないと思いこんでいることに原因があると考えます。男性は大声を出すことによって、客観的に踏んだ相手を辱め、自分に非はないと主張します。これは相手が悪いことをしたと思い込むことによって自分を慰め、自分の自信に繋げようとしているのです。

 

では自信をつけるにはどうしたら良いか?アドラーは自分が他者の役に立っていると実感することで自分に価値を感じるようになると主張します。それは手伝ってくれてありがとう、でも良いですし、生まれてくれてありがとう、といったそのひとがここに居るだけで安心する、といった存在レベルでの貢献でもいいです。そうやってある種のコミュニティに自分の居場所を感じたとき、人は自分に価値を感じます。

これは承認欲求とは別物です。承認欲求とは他者の役に立ってその人から認められたいというものです。そのため、その他者にとって必要な人になろうとするあまり、本来の自分とは全く違う自分を演じてしまう結果になってしまいます。そうなれば結局本来の自分を否定、つまり本来の自分に価値はないと思い込んでしまうので承認欲求なんてくそくられというわけです。本来の自分とさらけ出し、その自分に対して感謝を述べられたとき人は幸福を感じます。

 

まとめると、

人はある目的の為に感情を使う

→その目的とは突き詰めれば対人関係を自分にとって良いものしようとすること

→良いものとは自分が他者に貢献できていると感じること

→他者に貢献できたと感じたとき、人は幸福を感じる。

 

結論→本来の自分をバンバンさらけ出して、その自分を認めてくれる人付き合おう!

 

私の解釈はこんな感じでした。みなさんもゴマすりマンにはならないようにしましょう。結局は自分を不幸にしてしまうんですよ、と。